わが街わが里★heartful-sagamiのブログ

相模原は、神奈川県北部に位置する横浜、川崎に次ぐ人口72万人の政令指定都市で、丹沢山地と高尾山・陣馬山などの間に広がる相模川沿いの段丘平地からなる緑豊かで風光明美な土地柄であり、自然と共存する静かな居住環境を醸し出しています。この愛すべき“わが街わが里”を未来への懸け橋として、より良い街創りを提案します。

頓挫したBRT計画、「新交通システム」で蒸し返しの暴挙!【その1】

【1】これまでの経緯と傲慢な計画


相模原市南区の交通網は、小田急線、JR横浜線、JR相模線で取り囲まれた三角地帯の中央地域に大学や病院、企業などが集中しており、このエリアへのアクセスは、バス路線か自動車、あるいは自転車などに頼らざるを得ません。


 しかし、このエリアへの移動人口が増えるにつれて、当然のことながら慢性的な道路渋滞が引き起こされ朝夕の通勤通学時間帯には、本来の所要時間の2倍以上に達することも珍しくないのが現状です。


 そこで、相模原市は、2009年に突如として、「バス高速輸送システム(BRT※)」の導入計画を発表しました。(※BRT:Bus Rapid Transitの略) 


この計画は、道路を拡幅してBRT(連接型バスなど)を通す専用レーンを設け、渋滞を解消して短時間で目的地への輸送を目指すものです。


 ところが、この計画が住民への説明もなく、唐突に発表されたため、市民生活への影響が大きい沿線の住民を中心に市の対応への不満が噴出して、反対運動が起こったのは言うまでありません。


 同年2月~6月までに、市民から寄せられた9300件の意見のうち、大半が反対意見で、特に件数が多かったのは「沿線の良好な住環境などを破壊する」「白紙撤回、全面撤回、計画中止を要望」「導入の必要性はない」といった意見でした。


 そして、何回か地元住民と話し合いが行われた結果、この計画は頓挫して再検討の余地を残すも中断に追い込まれた経緯があります。


 その後、住民の意思は反対であるにもかかわらず、むしろ住民の眼が届かない形で、何とかして計画を推進するための検討委員会が設置されました。


 検討委員会は、本来、利害関係にある住民多数を含むのが常識ですが、実際には計画推進派の利権絡みの人選が行われ、まちづくりに積極的な地元地縁団体の有力者、計画達成を手柄にしたい交通行政の担当者、計画立案に権威を添える学識者、得体の知れない公募委員などが集まり、住民の反対を封じる形で会合が重ねられました。


 そして、以前、猛反対にあった地域を迂回して「新交通システム」として、今年2月に市長への答申がなされました。 


この動向をみても、不支持の住民の意見を黙殺して計画を強引に推し進めるやり方には、この「新交通システム」導入計画の常道を逸した不誠実さがにじみ出ています。


             《米国のBRTの例》


〔連載記事〕頓挫したBRT計画、「新交通システム」で蒸し返しの暴挙!

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