わが街わが里★heartful-sagamiのブログ

相模原は、神奈川県北部に位置する横浜、川崎に次ぐ人口72万人の政令指定都市で、丹沢山地と高尾山・陣馬山などの間に広がる相模川沿いの段丘平地からなる緑豊かで風光明美な土地柄であり、自然と共存する静かな居住環境を醸し出しています。この愛すべき“わが街わが里”を未来への懸け橋として、より良い街創りを提案します。

頓挫したBRT計画、「新交通システム」で蒸し返しの暴挙!【その2】

【2】呆れるほどの大規模事業、まったくの愚策にほかならない!


既に「新交通システム」計画を推進する企てから、片側3車線(全6車線)の30m幅の道路として、県道52号線の拡幅のための土地買収などが進められているようです。


先行は、北里通りの相模原公園入口から相模大野駅に右折する若松小前交差点(文京)までの区間と、女子美術大学を通り運行予定のJR相模線原当麻駅前の造成工事などです。


つまり、県道52号線の道路規格の格上げ変更を理由にして、強引に計画推進の見切り発車をしているのです。

しかし、首を傾げたくなるのは、この若松小前交差点から100m先の国道16号線までの道路拡幅は未定で、16号との立体交差の話も出ていません。


ですから、計画区間の拡幅工事が完成しても、国道16号線までの渋滞解消にはつながりません。


それに、相模大野駅から文京を経由して相模原公園入口までの区間を30m道路に拡幅するための土地買収費用は、沿線の公示価格から勘案して1平方m当たり概ね20万円として区間1mにつき400万円(20m新規に拡幅)を要し、その距離が6kmともなれば、おそらく2400億円という巨額の資金が必要です。
この費用はどこが負担するのでしょうか。県道部分は県が負担するのでしょうか?


また、北里大学から女子美術大学を経由して、JR相模線の原当麻駅まで大型の高速バスを運行する計画も理解できません。

この橋本-厚木間を結ぶJR相模線は、未だに単線運転で1日の運行本数は60本程度で、1時間に利用者が多い朝夕に4本、昼間は2~3本しかなく、不便な路線なので乗降客も少なく閑散としており、当駅から現在運行中の路線バスの乗客もごく僅かです。


ですから、大量輸送と速達性を目的に計画された高速バスを、原当麻駅まで運行させる必要性など、どこにもありません。


また、JR東日本は、厚木-橋本間の複線化について、莫大な費用が必要なことから消極的で具体的な動きはまったくありません。


さらに、東名横浜・町田インターと八王子をつなぐ通過車両が多い国道16号線に匹敵するような、片側3車線の道路規格が、高々1万人程度の利用客しかいない市内の県道に果たして必要でしょうか。


どう考えても、こんな膨大な公共投資によって、片側3車線に及ぶ道路の拡幅工事を行い、地域住民の犠牲を払って高速バスを運行する必要があるとは思えません。


せいぜい、片側2車線程度に拡幅して、朝夕の乗客がピークに達する時間帯に1車線をバス専用レーンにすることで、十分に速達性が確保できるのではないでしょうか。


将来的にも乗降客が大量に増えることは考えられないので、この地域に馴染む交通手段は、片側2車線程度の道路整備で充分であり、BRT導入や30m道路は明らかに過剰投資となり愚策としか言いようがありません。



〔連載記事〕頓挫したBRT計画、「新交通システム」で蒸し返しの暴挙!
【その1】http://heartful-sagamin.muragon.com/entry/3.html
【その3】http://heartful-sagamin.muragon.com/entry/5.html