わが街わが里★heartful-sagamiのブログ

相模原は、神奈川県北部に位置する横浜、川崎に次ぐ人口72万人の政令指定都市で、丹沢山地と高尾山・陣馬山などの間に広がる相模川沿いの段丘平地からなる緑豊かで風光明美な土地柄であり、自然と共存する静かな居住環境を醸し出しています。この愛すべき“わが街わが里”を未来への懸け橋として、より良い街創りを提案します。

ボーノ相模大野は、なぜ失敗したのか?

小田急線相模大野駅は、相模原南部の中心街で、この駅前からバスで市内の企業や大学などに向かう通勤通学客の主要交通路になっています。


しかし、以前から買い物客は隣町の東京町田駅の商店街に流れ、相模原は「ヘソのない街」と言われてきました。 

そこで、相模大野駅前の再開発が行われ、一昨年に商業施設や公共施設を含む「ボーノ相模大野」がオープンしました。



 ところが、一年も経たないうちに180店舗が撤退してしまうという異常事態に陥り、この開発が物議を呼んでいます。


 この複合施設が建築された相模大野北口西側付近は、以前から「大野銀座」と呼ばれる個人商店が軒を並べていた地区で、小田急小田原線に沿って団地や住宅地に繋がる住宅通りで繁華街とは言い難い比較的閑静な商業地域でした。 


元々、駅を利用する通勤通学客は、この住宅通りはほとんど通らず、駅前のバス停や駅と平行する伊勢丹前の行幸通りから相模女子大通りに流れてしまうため、以前この地区にあった「西友」も採算が見込めずに開発前に撤退を表明していました。 


それにもかかわらず、収益が見込めない複合施設の開発を進めた関係者の責任は大きいのではないでしょうか。 


大体、この複合施設のコンセプトが不明確まま開発を押し進めた結果、撤退した店舗の業種も多種多様で、利用者の立場からは魅力ある商業施設とは言い難い状況で、当初から買い物客が町田から戻ってくる可能性がありませんでした。 


つまり、この失敗は、相模原市と地元関係者の無能さがもたらした無謀な開発だったとしか言いようがありません。 
また、買い物客の購買力から言って、町田商店街と相模大野商店街で二分するような集客合戦は双方にとって得策ではありません。



 私は、発想の転換をして、なぜ“町田駅と相模大野駅との商店街の一体化”を模索して共存する道を選ばなかったのかと不可解に思います。


 ご存知のように、JR町田駅と相模大野駅との距離は1kmちょっとしかなく、徒歩ても15~20分の範囲にあります。


 しかも、JR町田駅南口の境川対岸※は相模原市ですから、伊勢丹通りから国道16号線(ここは地下道や地下街にしても良い)を跨いで境川方面へ商業地区を延伸して行けば、地域住民や通勤通学客が、町田から相模原へ、あるいは相模原から町田へとショッピングを楽しみながら移動する状況が生まれるはずです。
(※因みにJR町田駅前の「ヨドバシカメラ町田店」は、相模原市側の土地に建っています)。


 これは、町田市と相模原市の双方にとって大きなメリットになりますし、同時に地域の活性化に繋がると思うのです。


 伊勢丹出店から23年に及ぶ594億円の再開発事業が、“ボーノ相模大野の運営失敗”と“175億円の税金の無駄使い”で終わるのが残念でなりません。